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黒の牛
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目次

黒の牛の作品紹介

黒の牛のあらすじ

急速に変わりゆく時代。住む⼭を失い、放浪の旅を続けていた狩猟⺠の男は、⼭中で神々しい⿊い⽜と邂逅する。 男は抵抗する⽜を⼒ずくで連れ帰り、⼈⾥離れた⺠家で共に暮らしはじめる。 ⽣きるために⼤地を耕しはじめた男と⽜だったが、⾃然の猛威の前に、息を合わせることができない。 しかし、ある禅僧との出会いをきっかけに、次第に⼼を通わせていく──。

黒の牛の監督

蔦哲一朗

原題
公式サイト
https://alfazbetmovie.com/kuronoushi/
製作年
2024年
製作国・地域
日本台湾アメリカ
上映時間
114分
配給会社
ALFAZBET、ニコニコフィルム、ムーリンプロダクション

『黒の牛』に投稿された感想・評価

美しい絵画のような、心洗われる作品。坂本龍一の音楽、白黒、コダックの昔のフィルムで撮ったらしい。『十牛図』という悟りを教える絵と詩をベースに進んでいく。後半で「牛を忘れる」が出ていた。ポッドキャストで聞いていた番組に同じ名前のがあったが、「家に戻ってくれば牛を捉えたことさえ忘れる」という意味らしい。今の自分そのもので笑えた。

主役の(名前さえないが)男の俳優さん、リー・カンションさんがめちゃくちゃ良くて、こういう原始的な風貌と雰囲気の人って今の世に存在するんだ〜と驚いた。Q&Aで牛と仲良くなるのに苦労したのに、撮影期間で四季を撮らなければならないから二度来日したそうだ。二回目に来たら「ふくよ」というこの牛さんはすっかりリーさんのことを忘れていて、蹴られた話とか、楽しいお話が聞けた。

監督さんは、私の印象では、とてもこのような映画を撮った人には見えない明るい青年で驚きました(神経質なじいさん監督かと思ったら)。

是非とも一般公開を目指しているし、私もこんなに素晴らしい映画が皆さんの目に触れないのなんて、絶対に勿体ないので、来年一般公開を望む。そしてまた2回目3回目と見たい作品である。


#TIFF 7日目 17本目
東京国際映画祭ワールドプレミアにて。
黒毛和牛って美味そうなだけじゃなくすごく美しい生き物なんだなと思いながらうっとり見ていた。いや美しいから美味しそうなのか。知らんけど。

田中泯氏が出演していること・音楽に故坂本龍一氏が関わっていること以外の事前情報をほとんど確認せず、TIFFのサイトから直感で選んで観に来たわけだが、舞台挨拶に現れた監督は意外にもお若い方でちょっと応援したくなった。
8年もの歳月をかけて撮影しとても丁寧に作品に向き合ってこられた様子を伺ったので、こんな言い草は実に申し訳ない気もするが、ともかく今後の制作費獲得のためにはまずは商業的な成功ありきなのであえて思うところを率直に真面目に書かせていただく。


牛との出会いから別れまでのエピソードを通じ、一人の男が禅の悟りを開くまでを描いているそうで、なるほど話はとにかく淡々と進む。
最後までしっかり観たからと言ってこっちまで悟りの境地に辿り着けるわけではないが、音響も最高だし、各シーンでゆったりと間をとりつつ繋がっていくその陰翳礼讃な映像に陶酔していると何度か意識が遠のいて無我の境地に・・・・平たくいえば寝落ちしかけた。

かといってそれがこの美しい作品の鑑賞体験価値になんら悪影響がないのが素晴らしい。
もちろん程度問題だろうが、なんせ描かれている主題は禅の悟りの境地である。そこへ至る道の深淵さを思えば、たかが数秒や数分の意識の飛びが問題になろうか。どうせ一度で辿り着くわけないのだから、心が求めるならもう一度観れば済むことだ。そんなふうに、ある意味作品の鑑賞方法も受けとめ方も観る者のありのままに委ねられた懐が深い作品ともいえる。

絶対にスクリーンで観た方がいい。が、このままではあまりに人を選ぶ。

ぶっちゃけ、この手のハイエンドな芸術系作品が大衆に受けず興行成績が伸びないのは「わざわざお金かけて映画館に観に行っても寝落ちしそう」だからではないだろうか。
ならばいっそそのバイアスを逆手に取って、これこそ最高に贅沢で質の高いマインド・デトックスな寝落ちを体験できる映画である!!と打ち出してはどうだろう。
それこそ、坂本龍一氏監修の音響システムが売りの109シネマズプレミアム(ここの座席はいいぞ。座り心地最高だしリクライニング付きのプレミアムシートはそれぞれ独立感があり、まさに寝落ちし放題♪)あたりで上映すれば、世俗に塗れて疲れきった都会のビジネスパーソンたちがその「プレミアムな寝落ち」目的で殺到するのではなかろうか。

高尚そうな芸術作品を理解できず寝落ちしたら恥ずかしい・・・ではなく、むしろそれこそが新しい映画の味わい方だと堂々と人に語れるならば今までにない新しい価値となり、それを愉しむ余裕のある目利きの趣味人や新しい趣向の娯楽に飢えた尖った人々を引き寄せるやも知れぬ。

ちなみにこの作品、後半に何度か映画館鑑賞ならではのド迫力音響でハッと覚醒させられるシーンがあり、エンドロールまで完全に眠り込んで周囲の鑑賞者に失態を晒す心配がない・・という点でも非常に具合良く出来ている作品なのだ。

というわけでこれからの映画館デートの新機軸として「ペアシートでふたりで仲良く極上寝落ち体験♡」を流行らせればこの作品は優勝です。せっかくなので配給関係の皆さん、新進気鋭の日本人クリエイターを応援し、かつ映画館鑑賞文化に新風を吹き込むべく、是非ともこの方向のプロモーションをご検討ください。真顔でお願いしてます。
3.8
住む山を失った狩猟民族の「私」が、黒い牛と出会い、万物とのつながりを見出していく。禅の「十牛図」をモチーフに「無」への旅を描いた作品です。

主演はツァイ・ミンリャン監督作品で知られるリー・カンション、田中泯が禅僧を演じ、音楽は坂本龍一の楽曲が使用されています。
蔦哲一朗監督は若干41歳。
甲子園常連だった池田高校の蔦監督のお孫さんだそうです。

足かけ10年かけて完成させた非常に老成した作品です。
何かのテーマや物語を伝えるのではなく、音と映像そのものを伝える事が目的な稀有な作品です。

35㎜と70㎜のモノクロフイルム(一部カラー)で撮影。
ワンシーンワンカットで撮られた、水墨画のような幽玄な映像は、溝口健二かタル・ベーラを彷彿させます。

音楽はオープニングとエンドクレジットの坂本龍一の音楽のみ、劇中は自然音や人や牛の息づかいのみ。「私」は一言も発しません。

「十牛図」による作品の構成は、説法のようでもあります。
観客は映画に包まれながら、「私」と同様に“無”へと誘われていく…まるで瞑想している感覚です。
(各所から気持ちよさそうにいびきが…)

せっかく日本で初の70ミリフィルムで撮っているので、巨大なスクリーンに浸されて体験したい作品でした。
人を選ぶ商業性の低い作品だけに、大きな劇場での公開は難しいでしょうが、ミニシアターでの上映に消化不良も感じました。

クラウドファンディングで、1500万貯まったら、70mmフィルムプリント作成&上映会開催(2026年内想定)をするようです。
日本では70㎜を上映する機材がないので海外で上映予定。

映画の出来はは老成を感じるのに、目指している事は若くてエネルギッシュ!
蔦哲一朗という人、ちょっと気になります。

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